Hello Godot
今年はエンジニアインターン生がいないから夏のアプリどうしようか?
せっかくだし今までやったことがないやつ試してみない?
そんなノリからスタートして、試しに触ってみたのがゲームエンジンの「Godot」。 以前利用したUnityとは異なりオープンソースで無料なのが魅了です。 公式サイトにも記載がある通り、プログラミング手法であるオブジェクティブ指向をコンセプトにしたツールで、 個人的にはUIと実装のキョリが近くて直感的に操作できるツールでした。
とはいえ初見で知識はなく、よくわからない状態。 まずは公式チュートリアルや動画サイトを参考にポツポツと作るところからスタートです。 最初のプロトとして2Dの謎解きゲーム、HD2D風味のRPG、そして3Dホラーを作ってみました。 マイクロテックの定例で見せたら3Dホラーの反応が一番よく、今回はこれで行くことに🙌
楽しみだけど、た、大変そう......と思ったのを覚えています。
AIとチームに
とりあえずゲームのタイトル画像をChatGPTに作ってもらったり(誤字してる)、ストーリーやゲーム仕様、プログラミングはClaudeにやってもらいました。

特にプログラミングは初めて触るツールとプログラミング言語(Godot独自のGDScirpt)でしたが、ちょっと分からないと思ってClaudeに聞くとすぐに答えが返ってくる。以前ならネットの情報を探して試してと10分弱くらいかかっていたようなことが、1分もかからず解決していくので開発はサクサクと進んでいく実感がありました。
ゲームのマップ機能なんかも、Claudeにこういう機能をこういう方法で実装して、と伝えてあとは何度かやり取りしていくと出来てしまったので驚きました。Godotのツール上の操作についても全然普通に教えてくれたりして、すごいなと思うばかりです。ランディングページもサービスの概要とページ構成案を伝えることで大枠は出来上がって、そこから文言やテーマを追加調整していきました。


その他にサブ的に利用したのが画像から3Dモデルを生成するMeshyAI、人の録音音声をもとに好きなテキスト読み上げができるfish audioといったWEB上のAIサービスも用いました。(無料で使える枠だけでも色々できるので、興味がある方は是非試してみてください!)
そんな感じで開発をして進捗を共有していたらメンバーから「え、今回もう1人で全部できるんじゃん?」と言われて僕はぼっちになりました。これが本当のマイクロテックだねなんて。ただまあでもいけるだろうという実感はありましたし、1人でやりたいように開発できる楽しみもそれはそれであったので、今回は突っ切ることにしました。
※実際は最後にインターン生に画像や動画作りを手伝ってもらいました!
とはいえ苦労も
多くの作業がAIで効率化されましたが大変なところもそれはそれでありました。まずホラーゲームなので恐いことが当然大事になりますが、恐くしてとプロンプトを投げても恐くはしてくれません。このあたりの感覚的なところはどうしても人が試行錯誤してやっていくしかないです。
あとはアニメーションの編集であったり、今回ブラウザで動くようにできるだけ軽量化する(実は一番大変だった)作業があるんですが、この時に使った3DモデルツールBlenderについてはあまり教えてくれなかった印象です。UI的な操作がメインとなるツールはまだ弱いみたいです。思いつく限り軽くする工夫はしてみたんですが、それでも端末によってはカクツキがあって、ただあまりに削ると今度は恐くなくなる面もあるので、その辺りのバランスも人が判断するしかないところかなと思いました。


リリースを終えて
今回いわゆるAI駆動開発をしてみて、新しい分野の探索コストが低くなったというのがまず感想です。時間をかけてやっても何の成果も得られませんでしたというのは結構あるあるですが、AIのおかげで何かしら前に進むことはできるので精神が安定します。
あとはプロト開発が簡単にでできます。今後のマイクロテックでも企画段階でホワイトボードじゃなくて、動くものを実際に触りながらみたいなことができるようになるんだろうなと。企画の風景も変わってきそうです。
マイクロテックのような小さなサービスでは力を発揮しますが、一方で実際の商業サービスのように長期的かつ関わる人が多い複雑なシステムについてはまだ限定的な使い方だとも感じます。AIが書くプログラムは動くには動くけど......というものも多く、この辺りは変化を追いながらバランスを調整していく感じになりそうです。AIに全任せというより、小さな修正とレビューを繰り返すサイクルで導くのが一番良さそうな感覚でした。AIをうまく導くような感覚です。
生成AIが出てきて変わる部分も色々あると思いますが、エンジニアの本質的な部分については変わらないとも考えています。(興味がある方は社内教育ブログ「ランタン」のエンジニア連載を読んでみてください!)
ランタン「エンジニア連載」今回は1人マイクロテックだったので、次はまたインターン生でチームを組んでやりたいなと思っています。一緒にやってみたい!という人は是非ゲームをプレイして採用ページへ飛んでください。応募お待ちしてます!